2012年4月11日水曜日

「カワイイ文化」について

「カワイイ」の定義について

1)「かわいい」とは何か

古賀令子『「かわいい」の帝国』では、そもそも何を「かわいい」と言うのか、について調査を行っています。


*古賀令子『「かわいい」の帝国』


本書では「かわいい」の定義を、雑誌sweet初代編集長の言葉を借りて「女の子が発明した魔法の言葉」としています。「かわいい」か、「かわいくない」の基準は、実は曖昧なのです。曖昧ではありますが、著者の古賀令子氏が勤務する女子大では、このような以下のようなアンケート調査を行って、その基準をあきらかにしています。「たぬきときつね、どちらがかわいいか?」「オートバイとスクーターはどちらがかわいいか?」…結果、前者ではたぬき、後者ではスクーターが「かわいい」の基準において圧勝しました。これらのデータをもとに、「丸い、明るい、柔らかい、あたたかい、小さい、弱々しい、なめらか」が「かわいい」のモトであるとしましたが…そこは一筋縄ではいかず、最近では「キモかわいい」なるジャンルの出現により、かわいいの概念はどんどん複雑化してきたのです。


2)「かわいい」のルーツを掘り下げる

「かわいい」の歴史をもっと掘り下げていくならば、四方田犬彦の『「かわいい」論』をオススメします。「かはゆし」が最初に文献に登場するのは12世紀の『今昔物語集』。ここでは「かはゆし」は「気の毒」という意味で使用されています。奈良時代や平安時代では、かわいいものを「うつくし」と言っていたそうです。(ちなみに当時、「美しいもの」は「くたし」と言っていた)現代で使用されている「かわいい」のルーツについて、四方田氏は太宰治の短編小説『女生徒』に、そのルーツを見出しています。本書では「キモかわ」が2000年前後に発生したものと睨み、「醜い」と「かわいい」の範囲が重なっていることを指摘しています。面白いですね。

*四方田犬彦『「かわいい」論』


カワイイ文化の中のゴスロリ=====================

さて、カワイイ文化=ゴスロリではありませんが、
ゴスロリはカワイイ文化の中核を担っていると言っても
過言ではないと思います。

櫻井孝昌『世界カワイイ革命』は「カワイイ文化」が
ゴスロリの波に乗っていかに世界に波及していったかを
綿密な取材を重ねて論じています。

いや、むしろアキバと原宿の文化が
海外で融合されて
さらなる新しいカルチャーを生み出している
ところまで描かれているところがイイと思う!

*櫻井孝昌『世界カワイイ革命』


参考までに:ゴスロリの市場規模については以下のネットの記事をオススメします
http://ascii.jp/elem/000/000/424/424797/


ちなみに、ゴスロリは「ストリートファッション」の類でもあります。
ストリートファッションとは何かについては以下の本がおすすめ。================================


*『ストリートファッション 1945-1995』(パルコ出版)
本書の凄いところは圧倒的な情報量。膨大な写真資料によって、当時の空気感とファッションを同時に読み取ることができます。



本書は、日本のストリートファッションの変遷を、系統的に取り上げた初めての本。終戦から1995年までを総復習することができます。ちなみにストリートファッションのキーワードは「自由」。本書では、ストリートファッションの原動力に次のように述べています。「ある時代には自明と思えたスタイルが、ある日突然違和感を感じさせるものになる。そのとき、人々はその不自由さから逃れようとする」つまり、ストリートファッションの歴史はそのまま若者の精神の動きでもあるのです。そう考えると、おもしろいですね。本書にまとめられたストリートファッションの流れはザッと以下のようなものです。

40年代:ストリートガール(原色使い・派手なメイク)
50年代:シネマファッション(オードリーヘップバーンを意識したファッションなど)
50年代後半:太陽族(石原慎太郎&裕次郎を意識したサングラス&アロハ)
60年代:みゆき族(頭に三角に折った色物のハンカチ・ロングスカートなど)
60年代後半:モッズファッション(丈の長いジャケットに細身のズボン)
70年代:ジーンズ革命(カジュアルファッションの新分野を切り開いた)
70年代後半:重ね着(いまでは常識だが70年代後半までは「重ね着」の概念はなかった)
70年代後半:フォークロア(ベルボトムジーンズ・ビーズのアクセサリーなど)
70年代後半:ニュートラ(独特のコンサバ感覚・シャツブラウスとセミタイトスカート)
80年代:JJガール・ポパイ少年(和製トラッドファッション)
80年代:ニューウェーブ(全体的に黒っぽい・貴族的・退廃的)
80年代:カラス族(DCブランド・刈り上げたワンレンヘア・太くて濃い眉毛など)
80年代:ボディコン(ウエストを絞り込んだミニ・バスト&ヒップを強調したワンピ)
90年代:フレンチカジュアル、女子校生スタイル、ストリートブランド

『ストリートファッション 1945-1995』パルコ出版は1995年までのファッションを網羅してありますので、それ以降のファッションは、『日本のファッション 明治・大正・昭和・平成』(青幻社)で復習しましょう。この本の特徴は、全編イラストで構成されているところ。イラスト化することによって、より鮮明にファッションの特徴を捉えることに成功しています。特に2000年以降のゼロ年代において、「なんでもあり」になってきたストリートファッションを類型化し、まとめてある点が秀逸であると思います。付録の「日本の流行色一覧」も資料的価値が高い!




ちなみに、この本の220ページにゴスロリも載ってます。
映画『下妻物語』の紹介を添えて登場してます。

もっと突っ込んだゴスロリの話へ・・・================
ゴスロリの世界を詳しく知りたい場合、インデックスMOOKの『ゴシック&ロリータバイブル』がおすすめです。特におすすめなのが本MOOKのVOL.43の綴じ込み企画である「何でもQ&A企画 ゴシック&ロリータちゃん 賢者の石」です。



右も左も分からない初心者に基本のキの字から教えてくれるゴスロリの教科書のような綴じ込み。この綴じ込みによれば…ゴスロリには以下の分類があるらしいのです。

1)トラディショナル・ロリータスタイル
2)スィート・ロリータスタイル
3)クラシカル・ロリータスタイル
4)ゴシック&ロリータスタイル
5)エレガント・ゴシック・ロリータ
6)ホラー・ロリータスタイル
7)ヴィクトリアン・ゴシックスタイル
8)ゴシックパンクスタイル

文字だけ見ていると何がどう違うのかさっぱり分かりませんが、本書には、モデルさんがそれぞれのジャンルを着用し、丁寧な説明も付いていますので、それを参考にしてみてください。

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ゴスロリの精神性!

形が揃ったら、次はロリータの精神性は学びましょう。ロリータの精神性を確立したのは、嶽本野ばら『それいぬ―正しい乙女になるために』だと思います。ロリータを広く一般に知らしめた映画『下妻物語』の原作も彼の本ですし。


野ばら氏の著書にはロリータの哲学が詰まっています。たとえばこんな感じ。「大きなリボンは蝶々の擬態。ぬいぐるみに同化し、解読不能な玩具の振りをして生きてゆくのです。それこそが、ロリータを残酷な世界から守ってくれる唯一の方法であったのですから」

辛い現実と向き合わず、徹底的に自分を「乙女の夢の世界」に閉じ込めておくゴスロリという生き方。賛否両論あると思いますがみなさんはどう思いますか?(ちなみに私はアリだと思います)

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