2012年11月19日月曜日

日本における恋愛・結婚観の変遷について:呉智英『マンガ狂につける薬 二天一流篇』を参考にして考える

えー、某大学で「恋愛を哲学的に説明する」と予告して
途方にくれていたところ、
この本『マンガ狂につける薬 二天一流篇』に



「前衛的手法と新しい愛の形」と題して
恋愛の項目があるのを発見、非常にわかりやすく
まとめてありましたのでご紹介します。

呉先生は地元・愛知県が誇るマンガ評論家の先生です。
呉先生の経歴はこちら↓
http://www.weblio.jp/content/%E5%91%89+%E6%99%BA%E8%8B%B1
http://www.kyoto-seika.ac.jp/edu/faculty/kure-tomofusa/

ちなみに、呉先生は京都国際マンガミュージアムの研究顧問でもあります。
http://www.kyotomm.jp/

この京都国際マンガミュージアム、
私も行ったことありますよ~(一人で電車乗って行ったW)
このミュージアム、新旧いろいろなマンガが読めますし、
建築もレトロでおしゃれです。
このミュージアムの近所にわざわざ引っ越しても良いくらいですわ。
少なくとも10年は楽しく暮らせること間違いないです。
マンガ好きは
一度ぜったいに行くべし。
マンガミュージアム、年代順に並んだコーナーが圧巻ですよ!
年代順に並べてあるのですが・・・意外と古いところに
『攻殻機動隊』原作漫画があるのだ!
原作漫画を描いた士郎さんの感覚がいかに先んじていたのか
ということが分かるコーナーでした。
あの作品だけ、「未来からやってきた人が描いた漫画」
みたいに浮いているんだなぁ。まるでオーパーツみたいに。

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話が逸れました。

この本の



「恋愛について」の項目の紹介にいきます。
本書P146~

1)まずは「出来ちゃった婚」の一般化について説明してある。
かつて「出来ちゃった婚」はタブーだったんだな・・・

<私のコメント:たぶんタブーからオモシロイに変化したのは
 以下のTVドラマが転換点だと思われる>
 
2)呉先生の解説に戻ります。
 
日本人の結婚観・恋愛観は1960年代後半から
10年単位で変化してきたそうです。
 
3)1972年に上村一夫が『同棲時代』というマンガの
連載を開始したのは1972年のことだった。
 
 
当時はワケアリの人たちが
結婚できずに同棲パターンが同棲だった。
 
4)そもそもどこからそんなに恋愛が
もてはやされるようになったかという説明になる・・・
 
初めて日本で「恋愛至上主義」という言葉が出てくるのは
1922年、英文学者・厨川白村の『近代の恋愛観』。
ここにおける「恋愛至上主義」とは
恋愛依存とかのことではない。
「家の格で相手を選ぶ」ということから
脱して、両性の合意で相手を選ぶことを
そう呼んだらしい。
 
5)しかし『近代の恋愛観』は憲法24条で
「結婚は両性の合意のみによって成立」と
なってからが意味がなくなってオワコンとあった。
 
6)ちなみに、白村よりもちょっとだけ早く
恋愛至上主義を唱えたのが北村透谷らしいのだが・・・
『北村透谷選集』には
処女の素晴らしさが繰り返されているらしい・・・
 
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<この文献を読んで、私が考えたこと>
 


呉先生が『マンガ狂につける薬二天一流篇』にまとめた
「前衛的手法と新しい愛の形」に、

女性ファッション誌研究を合体させて考えると
面白いかも?!
 
現代の恋愛観は
女性誌の発展と共にあると思うから。
 
恋愛至上主義の意味合いが
かつての「両性の合意で相手を選ぶこと」
ではなくて
 いま現在は、「とにもかくにも恋愛・カレシ・デートが大事っ」
(むしろ結婚すること<恋愛に生きる)
っていう「リア充的な意味」に変換されてしまったのは
女性誌の煽りの影響が大きいだと思う。
 
ここから先は、女性誌のキャッチコピーを集めた本
(以下に紹介してあります)
を読めばいいかと
 以下のリンクの「おまけ」の部分に
女性ファッション誌の変遷が書いてあるのでそれも併せてどうぞ
 
ananや、エルティーン、JJなどが
「恋愛」「モテ」の特集を繰り返し組む
→服やメイクなどの消費促進
 
という流れになると思われます。
 
ただ、その中で「男ウケしなくても自分のために消費する」層が
出現したために・・・
キューティ・ジッパー系の青文字系が出現した。
その流れは強く、
JJも影響され、古着MIXを取り入れ 赤文字系と青文字系の境目が
曖昧になってきた。 JJすら異性モテよりも自己実現や同性ウケのほうに
傾き始めた・・・
 
でも、キューティは、ファスト風土に
 http://riekonaito.blogspot.jp/2012/03/blog-post_30.html
いまだ強固に存在する層のニーズ (カレシ重視の恋愛依存的な価値観)を汲んで
異性モテ主軸のギャル寄りの原宿系に変容した・・・
 
と読めば面白いかな。 現在は・・・ ファスト風土的な早婚文化と
  (ファスト風土の中で早めに結婚、 結婚しても付け睫毛、子供とディズニーランド)

未婚化・晩婚化 の二極化が進んでいるんじゃなかろうか。  

 女性誌も二手に分かれて 客層がかぶらないようにして うまく共存共栄していると思う。
ただ、後者のほうが多数派になりつつあるかな。

  下記リンクの本のデータで後者のほうが多数派だと分かる↓
  http://riekonaito.blogspot.jp/2012/11/blog-post_7835.html
=====================
 
以上の文献を参考に
自分なりにまとめると・・・
 
1)結婚はもともとイエ社会における女性の交換でした。
これは構造主義的
 
2)1922年「恋愛至上主義」の誕生
しかしこの場合の意味合いは
「家の格ではなく両性の合意で結婚すること」を意味。
 
2)1960年代後半から10年単位で恋愛観は変化する
 
3)1972年にはマンガ『同棲時代』がヒット
(呉先生によれば
戦後民主主義の中で
「同棲」は良識的規範の範疇になった)
 
4)バブル時代の恋愛観は
『バブルへGO』を観ればよくわかるよ~
阿部寛の肉食獣ぶりが凄い
 
5)じゃあ、いまの恋愛観は?といえば
この本がわかりやすいと思う。
 
 
男性→オタク化でアニメ祭(リアルに恋愛する層減少)
女性→恋愛相手が少なくなり少ない牌を取り合う
  ・・・という現状が描かれている。 岡田氏の結論がかなり過激なので 賛否両論あると思うが、 この本がわれわれ世代 (現在30代)の恋愛・結婚観を うまくまとめている本だと思うなぁ。

 6)じゃあ、90年代生まれの恋愛観って いったいどんなだろ??
二極化していると思うが、実際のところどうなの??

   結論:講義で意見を出し合って考えよう!!
 =============================
追記:ペンネーム しーもあサンから意見をいただきました。

私が前々から思ってるのは、自分は非リア充のマンガ家が量産したラブコメが現代に至る恋愛の作法に多大な影響というか、ほぼ作ったと思ってます。おたくの妄想が現実をリードしてしまうと言うのは、大いなる逆説ですが、宗教でも文芸でも思想でも似たような物ですね( ̄^ ̄)ゞ

この意見面白い!たしかに、
漫画家は非リアじゃなきゃ成立しないが
その人の妄想が生み出した少女漫画が
リア充を量産しているのだなぁ~オモロー

仲さん主演のこの映画はまさにそうですよ。
非リアの少女漫画家が恋愛を妄想するという話
 

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