2013年1月27日日曜日

みうらじゅん『D.T.』×本田透『喪男の哲学史』

「こじらせ女子問題を余計にこじらせた問題」がひと段落しましたが・・・
http://riekonaito.blogspot.jp/search/label/%E3%81%93%E3%81%98%E3%82%89%E3%81%9B%E5%A5%B3%E5%AD%90%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E4%BD%99%E8%A8%88%E3%81%93%E3%81%98%E3%82%89%E3%81%9B%E3%81%9F%E5%95%8F%E9%A1%8C

↑この途中で、
キルケゴールに性経験がなく
(また、性行為も困難な事情があり)
それゆえに、コンプレックスに悩まされた
というエピソードについてまだ保留にしてありましたので
今回説明します。

キルケゴールは以下:
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_12.html

はっきり言ってしまえば

キルケゴールは童貞ゆえに、
美的実存<倫理的実存<宗教的実存
という価値観を構築して
自分の価値を高める試みをし、
それが結果的に実存主義となった・・・というわけです。

この経緯について、オブラートに包まずに
ありのまま書いた凄い本がこの本『喪男の哲学史』です。



この本のキルケゴールの章は凄まじい!!!
他のどんな本もキルケゴールのイタい面に
ついてはそっと美化して書いてあるのに
この本だけエゲつない部分まで全部書いてある!!!

この本のP151~

1)キルケゴールは出生の秘密があり、
父親と共に引きこもりがちでした。
(ありがちな話なんだが・・・)

2)やけっぱちになったキルケゴール、
売春宿で童貞を捨てようとして失敗
(ありがちな話なんだが・・・)

3)24歳で14歳の少女に恋する
(いやー、これは****でしょう)

4)しかも「愛しているから別れるんだ」的言い訳で別れる
(これは中二っぽい)

5)すでに西洋ではロマン主義・恋愛至上主義まっさかり
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%ED%A5%DE%A5%F3%BC%E7%B5%C1
(人間の内面重視をする主義ね)

6)相手の女性の中に「神」を見出すのがこの時代の恋愛観

7)キルケゴールは14歳の少女レギーネの
本体に幻滅するのを恐れて、逃げたとも言われています

8)ちなみに北村透谷の処女崇拝もここらへんの思想を
輸入したことから来ています

北村透谷は現実の女性に幻滅して自殺しました。

9)キルケゴールは逃げて、生きました。
実際には、逃げたんですがレギーネとの婚約破棄で
「ロリコンやり捨て」の悪評がたち、
国許にいられなくなりました

10)この本・・・ここらへんの描写が面白くてこんな感じに書かれています。

ヘーゲル哲学のセカイ系
臭さに耐えられなくなったキルケゴールは
何が絶対精神だ!俺にはレギーネのほうが大事だ!
レギーネ愛している!ああーっでもレギーネはいない。
というわけで、「ヘーゲル氏ね」とばかりに
アンチセカイ系哲学を構築、
「世界がどうなろうと知らん!俺は童貞だ!」と叫びました。
これが実存主義の誕生の瞬間です。

いやー、ここまで、えげつなく実存主義の
誕生を書いちゃっていいのか?この本。でもわかりやすいなぁ。

ちなみにセカイ系ってこれね

11)ちなみに、ヘーゲルはモテました。
もともとは非モテですが、ロリ妻GET、名声GET、弟子GETで
ウハウハな人生で、大仰な哲学を構築しました。

12)キルケゴールは現実をあきらめて二次元に逃避したようなもの。
しかも、童貞のまま、40代で亡くなりました。
しかも、世間から罵倒されたままの死でした。

13)キルケゴールの脳内の神は
キリスト教の神のイメージでしたが・・・彼は
宗教推ししていたのにキリスト教会ともケンカ。もう悲惨。

14)つまり、徒党を組んで哲学やっているヘーゲルや
組織化した教会にも反感を持ち、一人で童貞力をキープし続け
「自分だけの神」を信じて死んでいったキルケゴール。

全然救いの無い話ですが、
だからこそ、同じ立場にある人を救う力を持っているのでしょうね。

まぁ、次に非モテ最強ニーチェが出てくるんですが
ニーチェの場合は、売春宿で童貞を捨ててしまったがために
DQN化、超人思想にトんでしまいました。

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しかし、実存主義を構築した原動力が「童貞力」だったとはねぇ・・・
実際そうなんだけど、哲学書に「童貞力」なんて
書いてしまったら、ダメなので躊躇している本が多い中、
よくぞ書いてくださった!という感じであります。

この「童貞力」もっと掘り下げていくと・・・

みうらじゅん『DT』になるかと・・・



しかし、
DTのカリスマみうらじゅん氏本人が
童貞ではないという罠があります・・・。

ここらへん、ちゃんと整理がなされていて

みうらじゅん氏は

*童貞

*童貞の心を持ち続ける男=DT

を分けて考えているようだ・・・。

この本で面白いのは、モテ組とDTの境界を
「彼女と一緒に時間を捨てられるか否か」としている点である。

これ、自分もすごくわかるんだよな・・・。

リア充側のイベントとされる「海水浴」「スキー」「BBQ」などの
レジャーの「間」がもたないんだよなぁ。
リア充はそれらのイベントの間、どんな会話をしているのか
とんと見当がつかない!本書の・・・

DT:得意分野で一人で時間をつぶすのがうまい

モテ側:彼女と時間を捨てるのがうまい

という境界線は的確だと思います。
ってか、自分は「こじらせ女子」というより
「DT女子」に近いかもしれん。
こじらせているというよりは、
延々と一人で時間つぶせるからね・・・。

それから、本書で、DTが「女性を崇拝する」という
側面に触れているのは
キルケゴールの童貞力と被るなぁ、と思います。

キルケゴールも童貞だからこそ、
相手を崇拝しすぎて、逃げてしまったんでしょう。

『DT』でみうらじゅんの対談相手として
伊集院光が出てくるんですが・・・
伊集院が
「童貞は好きなアイドルの悪口を言われると
いつかやりたいと思って高いところに置いていた人を
否定された気になる」と言っていますが、
キルケゴールも
レギーネを「好きなアイドル化」してしまったがために
高いところに置きすぎ、そのまま触れずに逃亡したって
ことになるんですかね。
そして、人生を自己正当化するためにも
実存主義を構築した、と。

なお、本書において、みうらじゅんが
「童貞は初体験の相手=結婚相手と思う」とも書いていますが、
これは人によりけりだと思います。
==============================
<以下、私のコメント>

っていうのも、先日、
「童貞の恋愛観」をテーマに
レポートを提出してくださった
学生さんがいらっしゃったのですが・・・
(男子学生2人の共作)

彼らがご自身と周囲の童貞仲間さんに聞き取り調査した結果・・・

*初めての相手は真剣に付き合いたいからこそ慎重になりすぎる派

*誰でもいいからはやく童貞捨てたい派(たぶん将来DQN化しそう)

に分かれているそうです。

あと、相手は「清楚」、
もしくは「清楚だと思い込みたい」ゆえに
「経験人数などは少なく言って欲しい」とのことでした。

あの「童貞の恋愛観レポート」は非常に面白かったし
もっとデータをとって、ちゃんとした研究にしたら
あの有名な「キンゼイ・レポート」にも勝てると思う!

注)キンゼイレポート
http://news.livedoor.com/article/detail/4300951/

みうらじゅん『DT』も童貞研究をすべきだ!って主張しているんですよね。
女性のセクシャリティを調査したモアリポートも存在しているんだから
童貞モアリポートが欲しい!という主張はよくわかる。

というか、今回、学生さんのレポートで童貞の恋愛観は
普通の恋愛観とちょっと離れていると思った。

相手の人格というよりは・・・初めての恋愛で
自分が傷つかないか、それによって
コンプレックスを克服できるかばかり気にして
独自の世界観を構築しているなぁ~と驚いたので
「童貞研究」がもっと真面目に行われても良さそうな気がしてきました。
日本の「夜這い」の民俗の研究と対比させても面白そうだな!

性交渉がないことが、どうして男社会でコンプレックスに
なりうるのか、女性の場合とどう違うのか、についても
掘り下げたら良いのかもしれないが、デリケートな問題なので
調査が難しいかもしれません。

人口問題研究所のデータによれば
いまの日本は性交渉未経験者の割合が増えているし

20歳~24歳までの
童貞率33.6%
処女率36.3%。

25歳~29歳でも
DT率は23.2%
処女率が25.1%

(つまり、20代の4人に一人が未経験)


この状況に対し、
宮台センセが「もっと恋愛しろ」と追い込みを
かけてたり、
上野千鶴子センセが
「熟女に頼め」と過激発言しているようですが・・・・・・

そんな旧世代の押し付けはさておいて、
なぜ、いまの若者が性交渉をためらっているのか?
性交渉しないことがコンプレックスになるのはおかしくないか?
ということをじっくり吟味すべき時期に来ていると思います。

これだけ未経験者が多数派になってくると
もはやコンプレックスでもなく、社会現象と化しているので
実態調査をして、新しい価値観を見出していけばいいのでは?

結論:「現代日本における童貞・処女率の増加と
その背景にあるもの」という調査をしたい。

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