2013年2月18日月曜日

arの「雌ガール」を読み解く

昨日、『桐島~』の映画版について書きましたが・・・
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_17.html

このようにカースト格差を描いている作品は多々あれど・・・
「カースト内部」を描いている作品ってそうそうない。

そこで、「カースト内部」を描いている本を3冊紹介します。

ただし、今回は女子のカーストの内部に限ります。
(たぶん、男子のカーストはそこまで複雑ではないので
題材になりにくいのではないかと。
女子の場合は、ストレートな格差だけじゃなくて
美のヒエラルキーで飛び越えられたり
ガラスの天井みたいなのがそこかしこに
あるので・・・カースト内部も複雑になりがちだ)

私が思いつく「女子のカースト内部を描いた作品」は
以下の3作品だ!

1)超絶モテ層の内部:『年下の女友達』(集英社文庫)に
収録されてる「いずみと美由紀」


2)リア充層の内部:『ろくでなし6TEEN』(小学館)


3)オタク層の内部:『底辺女子高生』(幻冬舎文庫)


まずは1)ですね~

超絶モテの「いずみちゃん」は「自分が手に入らないもの」を確認したくて
友達のカレシに手を出します。んで、簡単に手に入ってしまうという話。
美のヒエラルキーの頂点の「いずみちゃん」の虚しさ、それに伴う病理・・・
逆に同性の友達が得られないので
一人の友達にしがみついてしまうという
逆転現象が描かれている珍しい短編小説です。
著者は林真理子さんで、芸能人クラスのカワイイ女の子と
接する機会も多そうです。それゆえの観察眼だと思いますねぇ~

2)の『ろくでなし6TEEN』は読者モデル周辺のカースト内部を
描いていますねぇ~『桐島~』でいうところの
沙奈ポジションといいますか性的に早熟なリア充層ですね。
ここに美少女キャラが出てきますが、
後に「完全な演出」であることがわかりますW

3)そして、イチオシなのが
『底辺女子高生』です。スクールカースト底辺で蠢く
地味なのに成績も良くない・・・という層を描いたエッセイです。
この本に収録されている「紅しょうがの夏休み」という作品が
超絶に良すぎる!!

地味、進研ゼミをやるふりしてゲーム、保健室でサボる・・・恋愛要素なし
というもう、どうしょうもない「なんにもなさ」なんである!

しかし、その「なんにもなさ」を文学作品まで高めていると思われるのが
「紅しょうがの夏休み」なのであります!

この「紅しょうがの夏休み」なのですが・・・
そこからとても美しい文章を抜粋してみましょう。

私が夏を好きなのは、もしかして「楽しい夏休み」を待ち続けているから
ではないだろうか。まだ見ぬものを待つ気持ちは、いつだって全てを圧倒する。

このエピソード、受験勉強を図書館でやるけど(出会いやイベントを期待しながら)
全然なにも起こらない・・・という、ただそれだけの話である。
毎日、図書館の食堂で「冷やし中華」を食べて紅しょうがを残していたら
食堂のおっちゃんが「紅しょうが抜いてくれるようになった」という
めっちゃ細かい変化を描いただけなんだなWW

たぶん、恋愛とか、実際にやってしまうと面倒さいし、
さらにそれが進行してしまうとあまりにも簡単に手に入るために
逆に病んでしまう。

これらの作品を並べてみると見えてくるものが・・・

非リア・リア充ワナビー(ときめきいっぱい胸いっぱい)
→リア充(めんどいゴタゴタあり・下手するとビッチに転落)
→モテすぎ(逆に病む)

この逆転現象ってなんだろW

以前、しーもあさんが少女漫画は非リアが
生産していると
言っていたが・・・たしかにその通りで、非リアがときめきいっぱいで
妄想した産物が「リア充の恋愛幻想」なんだよなぁ。

実際のリア充は気だるく、夢がない。

リア充層の内部を描いた
『ろくでなし6TEEN』の面白いところは
演出でクラス一の美少女扱いになってたリア充の女の子が
芸能界デビューしたとたんに神秘性を失い
「美少女」→「売れない芸能人」という扱いになるところです。

スクールカーストの外に出ると、
今度は違う社会的カーストに回収されてしまい、
とたんにスクールカーストの地位を失うところなんざ
「よく描かれているなぁ」と思いました。
==========================

話は変わりまして・・・
メインの話題の「雌ガール」なんですが・・・

2)の「リア充」にあこがれる「リア充ワナビー」が
「雌ガール」キーワードに
ひっかかるのではないかと思われます。

3)の層が「モテ」を目指すなら「邪道モテ」という技があるのですが
(ろくでなし子先生が高校ではモテなかったが
大学で邪道モテした話を書いていらっしゃった)
http://riekonaito.blogspot.jp/2013/01/blog-post_13.html

・・・・・・王道モテを「テクニック」で目指す場合に
「雌ガール推し」の雑誌を購読するということに。

いやはや、気恥ずかしいですが、読みましたよ
・・・arの雌ガール特集・・・

というか、これ「非リアのリア充妄想」を加速させる
ツールとなっているような気がする。
妄想を加速させて、消費を喚起する雑誌に見えるよ。

ってか、本気でリア充な人はこれ読まないんじゃ・・・。

ar 2013年3月号の目次をお読みください。



むーん。凄すぎて言葉もでんわい。

しかしノンノモデル→男性と浮名を流しすぎて
ノンノの芸風とはちょっと違う系統の扱いに
なっていた矢野さんがこっちに来ていたとは。
そうか!恋愛体質ということで「雌ガール枠」があったんか・・・。
と妙なところで納得してしまいました。

この雑誌、甘々になりそうなところを
水原さんで辛目にスパイス効かせることで
雑誌のバランス(フォースのバランス)を取っているところがポイントでしょうね。

まず、リア充ワナビーが喰らいつきそうな「雌ガールToDoリスト」P32~
をチェックしてみましょう。

1)やりたいことは明日じゃない、今日やる
 
 
(たぶん、これ、いま恋愛のために消費しろよマニュアルですよW)

いまでしょ・・・はこのCMのパロディではW
真面目に勉強ばかりやってきた層の大学デビューを煽る記事
なんだよなぁ・・・雌ガール。問題集を解くように
真面目に雌化して消費する奥手女子がターゲットなのかな。

2)変わることを恐れない
 
 
3)いつだって男目線を忘れない
(たぶんここらへんが女装モード
に繋がっている)
 
 
4)だって好きだから 恋する気持ちに素直
 
5)常にわくわく
 
6)甘くてエロい

甘くてエロいWWW
完全にオッサン目線で自分を見て、その目線で飾るモードに突入しておりますな。

こういうのを読むと
渋くてエロくない桂歌丸テイストを目指してみたくなるなぁ・・・。
反動で枯れガールとか、歌丸女子とかを推したくなる。
あ、干物女のことかそれは。

その他、ar2013年3月号を読んだ感想は・・・

出ている人の層と読む人の層が完全にズレている雑誌だと思った。

スクールカーストでいうと「超絶モテ層」をロールモデルに置いておいて、
リア充ワナビーを少女漫画で釣り、コンプレックスを刺激して
消費を推進させる雑誌だぜこれは・・・。

出ている読者モデルが超絶モテ層だもん、これ。
最初に小説で解説したが、
出ている層が1)超絶モテ層:『年下の女友達』(集英社文庫)に
収録されてる「いずみと美由紀」の層なのよ。
 
もう、写真とコメント見ていただければ何を言わんとしているかわかるかと・・・

本田さん・・・凄すぎるよ。
告白される方。つねにありのまま。
流行に流されない。

ここまで強気で、いきなりシャドウはマキアージュ。

ここまでモテそうな人がマキアージュ推してたら買いますね、これは。
ってか、本田さん、恋愛マニュアル的な記事読まなくても
モテるんだろー!マキアージュ使わなくてもモテるし、
中身が桂歌丸と入れ替わってもモテるよ、この人。

そして・・・リアルな読者層側の心の声は
腹肉ツヤ子先生がご担当されている。
(ツヤ子先生の人気の秘密は読者側の声を描いてくれるところだ)


出ている人と読者層のズレを作為的に使って
誌面作りしているぜ・・・

そして、極めつけが「少女マンガ」を付けてしまっているところだW

しかも、非モテ女子にウケそうなベタベタなマンガだ・・・
これ、ギャグかと思ったよ。美肌一族みたいなのかと・・・。

ヒロインは「駆け出しのモデル」
男友達「パトリック」
恋のライバル・完璧女子
・・・・・・これらは一体なに?!

リカちゃん人形の設定かと思いました・・・。
 リアルなモテ層はスルーするよなこれ。
 
さらに!これは凄い↓
 
カレのいない人生なんて・・・・・・・・・・・・・・・
なんて・・・・
なんて・・
 
って、なんだこりゃ!
 
 
この10年彼氏がいなかった自分の人生は何?!
恋愛しなかったら人生じゃないんかよ~
 
いや、もう雌ガール自分には無理だわ・・・。
 
あと、女装モードの話ですが、そこらへんも意識的に
やっているのかこんな企画が。
オネエが女子にメイクを教育するページ・・・
 
やっぱり10年代は男女逆転の時代だな。
オトコ目線を内在化させている女装。
オッサンの視点で、雌の女装をする。
それが雌ガールなのでは。
 
そして、雌ガールを目指すのは、高校時代に少女漫画を読んでいて
ちょっと遅れをとっている非リア層だと思う。
リアルなモテ層は、「つねにありのまま」の
読者モデル本田さんのような人だと思われる。

非リアが雌ガール目指して挫折すると恋愛依存になりかねないので
ちょいダサで邪道モテを狙ったほうが有利だと思うんだけど・・・
こうなると邪道モテ雑誌を作ったほうが良いと思う。
 
邪道モテの究極の形が
サークルクラッシャー系女子だと思うので
次回こそ、ホリィさんのサークラ研究を紹介したい!
 
サークラ同好会:http://circlecrash.jimdo.com/
 

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