2013年4月8日月曜日

ハンス・G・キッペンベルク『宗教史の発見』×斎藤環『博士の奇妙な思春期』×ゲド戦記が気になり始める、春です

えーと、以前、フレーザーの金枝篇について以下のブログ記事で説明しました。


http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_24.html

しかし・・・

フレーザー自身がどのようなスタンスで研究をしているのかわからないし、
やっぱりフレーザーもどこか「ジブリっぽい」のだ。

そこで、客観的にフレーザーの研究姿勢について
考察してある書籍をご紹介します。

この本が良いと思います。



この本のP134~

1)フレイザー(1854年~1941年)はもともと古典文献学者であった。

2)フレイザーの「人柄」については、1900年に彼と会った
ウィリアム・ジェイムスの書簡が参考になる。
彼はフレイザーのことを「青二才」と呼んだ。
(いや、これは歴史に残る悪口っぽいのでは・・・
つまり、ちょっとファンタジー入っているということ)

3)ロバートソン・スミスが1884年、
フレイザーに「トーテム」と「タブー」という2つの概念を託し
これきっかけでフレイザーは文献→人類学に転向する。

4)1885年、フレイザーは人類学研究所の学術大会で
葬送習慣に関する発表を行い、タイラーに評価された。

5)フレイザーはその後、金枝篇を書いた。
それは以前ブログに書いた通り。


http://riekonaito.blogspot.jp/2013/02/blog-post_24.html

6)しかし、ツッコミを入れる人が出現した。
ジョナサン・Z・スミスである。
彼は10%が古代の資料で、
あとの90%は彼の文学的想像力だ、と算定した。

これは、日本の民俗学でもわりと同じツッコミが入ると思う。

7)ってか、フレイザーは宗教学者や民俗学者からの
猛烈な批判をくらったらしい。
しかし、作家や詩人からは、称賛が絶えなかった。

8)フレイザーの役割を端的に示した文章が以下。

「破壊の先頭に立って突き進む時代にあって、宗教史は
非合理的な力の最大の証人となったのである」

でも、フレイザーの研究姿勢のことを
「心理の探求をなにもしていない」と
ツッコンだ人がいたのは
確かなんですよね。

そこで、「トーテム」と「タブー」について
心理学的にツッコんだ人のこと、
さらに、それを分かりやすく解説した本を
ご紹介します。





斎藤環先生が
フロイトのタブーの理論
について解説している本です。

この本のP190

タブーと強迫神経症の症候が
以下の点で一致を見ている・・・としています。

1)禁止の無動機性
2)内的強制による禁止の確立
3)移動性
4)儀礼的行為(戒律の発生)

金枝篇だけ読むと、「あちこちに似たようなファンタジーがあるんだな」とか
そんなことだけ思ってしまうけど、
現代人の神経症的なものとの親和性を
指摘されるとまた違った目で見ることができる。
フロイトは現代思想に大きな影響を与えている人とされていますし、
斉藤環先生の見た症例にも、共通するものが見られたそうな。
=====================
<わたしのコメント>

これらを踏まえて考えたことは、
金枝篇と現代社会を繋ぐ糸が
やっぱり「ジブリなんじゃないか??」ということです。

しかも、駿さんのほうじゃなくて、
駿さんの息子さんが作ったゲド戦記。

「宮崎駿が父親であるという人生」は
如何なるものなのか?
想像しても、しきれない
苦しみがあると思います。

生まれてきたら、父が日本のファンタジーを背負っている
ストーリーテラーでしかも技術も凄い。
どこへ行っても「駿の息子」として大切にされ、
その一方で、「駿の息子」であることを辞められない。

しかも、駿さんの息子さんは
偉大な父に反対されても
このアニメをつくったんですよね。

そこまでして、息子さんを
この作品を創るに至らせた「何か」が
金枝篇と「現代社会の神経症」を繋ぐものだと思うのです。

取り急ぎ、調べてみたところ、以下のリンクで
ゲド戦記分析が行われていました。

上記リンクで主人公の敵
「クモ(蜘蛛)」っていう存在について言及されてるけど・・・
「蜘蛛」=もののけ姫のアシタカって解釈ができるのでは?


エミシは土蜘蛛と呼ばれていたので。

つまり『もののけ姫』をつくった
巨匠の父=蜘蛛っていうイメージと
重ね合わせているかも。

いや、『ゲド戦記』を観たのはかなり昔なので、
記憶がおぼろげなんでなんとも言えません。

当時は「あー、父のアニメのほうが面白いな」程度に
流してしまった『ゲド戦記』なんですが、
民俗学、心理学を考慮すると

下手したら駿氏の作品よりも「何かあるかも」と
思えてきました。

また『ゲド戦記』観て、考えてみます。

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